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 優奈様のところでカウンタ2200を踏んだ時にしっかりリクして書いて頂いたお話です(厚かましい奴)。
 こんなにもややこしくて変なリクなのに、しっかりとリク内容にそったお話を 書いて下さいました!しかもメールでさりげに書いていた、「眼鏡を外す天化」まで入れて下さる太っ腹ぶり!
 それにしても、優奈様の書かれるコーチは本当に優しくてカッコいいですね〜。天化ちゃんもなんて可愛らしいのかしら…(うっとり)。
 ウチの性格極悪コンビに爪の垢でも飲ませてやりたい…(ガク)。
 数学教師ものについて詳しく知りたい方は、優奈様のHPへ伺ってみて下さいね〜。
神崎優奈様のコメントです(ここまで載せるなよ←悪魔)。

カウンタ2200を踏んでくださった南穂さんのリク。
「天化ちゃんと朝を迎えたコーチが、コーヒーを飲みながら朝刊を読む」
できたら数学教師で、とのことでしたので数学で書きましたv
なんか…やっぱりうまくリク内容を入れられなかった気が。
こんなものでよろしかったでしょうか〜?(ダメダメ)

少し気だるいかんじに、道徳は目を覚ました。
横ですやすやと眠る天化の寝顔で今の状況を思い出す。 せっかくの連休だし、俺の部屋に泊まりにおいで。

そんな言葉で誘い出して三日の間天化を独占していたのだ。
「あーあ…すごいことになってる」

寝台の下に落ちている枕やら、天化が着ていたはずのパジャマやらを拾い上げながら呟く。

血気盛んな若者じゃあるまいし、ベッドまで我慢できなかったなんてなんだか情けない。
 
そんなことを考えながらも一人じゃない朝は幸せなのでよしとすることにした。
 

「おはよう。もう朝だよ、起きなさい」 
しっかり目を閉じて起きようとしない天化を軽く揺さぶりながら目覚めさせる。
 
まだまだ寝たりないのかこしこしと目をこすりながら今にも倒れてしまいそうな天化を支えながら引き連るようにして洗面台に
 
連れていき顔を洗わせた。
 
若さゆえの特権か、一度目が開けば途端に元気になってお腹がすいただの言い出す天化に思わず 苦笑してしまう。

「おはようさー」
 
「やっと起きたね。台所にご飯が用意してあるから食べなさい」

「食べる!俺っちお腹ぺこぺこさ!」

小動物みたいに飛びまわりながら天化はぱたぱたと台所へ走っていく。

起きたばかりで何故そんなに元気なのかと疑問に思いながら道徳もその背を追っていった
 

ほこほこと湯気のたつマグカップをさきほどから凝視する天化に道徳は首をかしげた。
別に変わったマグカップというわけでもなく、中身もただのコーヒーなのに何が珍しいのだろうか。

カップをまわしてよく見てみるがおかしいところなんて何一つない。

「どうかしたかい?」

あまりにも見つめられたので、どうにも居心地が悪くなって尋ねるとふるふると首を横に振られる。

「先生、それっておいしいさ?」

そう言って指差された先は、やはり持っていたマグカップだった。

「これかい?」

「そうさ。苦くない?」
不思議そうに見上げられ道徳は苦笑してしまった。

なにを聞いてくるかと思えば、随分可愛らしい問いだ。

「どうだろうね。飲んでみるかい?」

「……いい」

「まあ、天化にはちょっと無理かもね」

小さく笑いながら言うと、急に天化が立ち上がった。

ガタンと派手な音を立てて木で作られた軽い椅子が揺れる。

「俺っちだってそれくらい飲めるさ!」

勢いよく啖呵を切ったかと思えば強引にマグカップを奪い取られる。

止める間もなく天化は中身を一気に飲み干してしまった。

「……天化?大丈夫か?」 「…………だ、大丈夫さっ……」

随分間があいてからの答えでは無理をしていることがバレバレである。

目に涙すら溜めている天化に、堪えきれず道徳は笑い出してしまった。

「なっ…なに笑ってるさ!」

「あはは、ゴメンゴメン。なんでもないよ…」

「ウソさ!先生のバカッ!!」

「ゴメンって。ほら、こっちおいで?」

「そんなんじゃ誤魔化されないかんね……」

ぷっと唇を尖らせて文句を言いつつも天化は言われた通り近寄ってきた。

そんな素直なところが可愛くてしかたないのだが今は黙っておく。

「天化?ここにおいで」

言いながらポンッと膝を叩いてみせると天化は驚いたように固まってしまった。

それでも辛抱強く待っていてが、なかなか動かない天化に焦れて細い腕を無理やり引いてやった。

「うわっ……先生!!」

バランスを崩して倒れこんでくる天化をしっかり抱きとめながら膝の上にちょこんと座らせる。

ビックリして大きな目を真ん丸にしている天化にまた笑い出しそうになってしまった。

「いきなり何するさー!」

「だって天化が言うこと聞いてくれないから」

「…こんなん小さい子みたいさ…」

「じゃあイヤ?」

意地悪くきいてやると拗ねたように睨みあげられた。

それでも膝から降りる気はないらしく大人しくちょこんと座っている。

「先生、じゃあさ」

どうやらつきることのないらしい質問に道徳は苦笑する。

朝からなんとも落ち着きのない子だがそんなところも可愛いなんて思えてしまう自分にすら、もはや呆れるしかないだろう。

「なんだい?」

思わず笑いを含んでしまった言葉が気に入らなかったのか、天化は少し膨れっ面をしながらも、細い 指で道徳読んでいた新聞を
 
指差してきた。

「こんなの読んで楽しいさ?」

言いながら見上げてくる天化の意図を一瞬読み違えそうになったが、すぐに彼の言わんとすることを理解して道徳は静かに読ん
 
でいた新聞をたたんだ。

「こんなのより天化と話しているほうが、ずっと楽しいよ」

そう言ってやれば天化は蕩けそうな甘い笑みを浮かべた。

俺っちも漫画読むより先生と話すほうがスキさ、なんて少しズレたことを言いながら抱き付く天化にちゅっと口付けると更に嬉しそ
 
うな笑顔を見ることができた。

くるくる変わる天化の表情を眺めているだけで、本当に退屈しない。

そんなことを考えていると不意に天化が手を伸ばしてきた。

おずおずと両手でかけていた眼鏡を外そうとするのを好きにさせてやる。

小さな音をたてて眼鏡が机におかれたのを合図に、精一杯の天化の誘いに応えてみた。

小さく唇を開いて待つ天化にゆっくりと口付ける。

明日は警報でも出ればもっと一緒にいられるのにな。

なんて少し不謹慎なことを考えながら。