弓月広夢さんに押し付けた390Hit小説です。
リクは「海(季節はずれ)に行きたいと天化にねだられて、渋々連れて行く若造」でした。
この話のコンセプトはカー○○クスではなくて、海辺でいちゃつく道徳&天化でして、私なりに甘い雰囲気を出そうと努力したお話ですが……どうでしょう?
「海」繋がりということで「Beautiful World」にも載せています。
一体どの辺がと疑問に思われても、それは言いっこなしです(笑)。
作中に登場する天化の「おまじない」は私の創作ですので効果は期待しない方がよろしいです。こんな阿呆くさい「おまじない」を信じる人は居ないと思いますが、一応念の為(笑)。
シャツの裾からするりと入ってきた手に、胸元を擽るように撫でられる。腕を突っぱねようとするが、力が入らなくてそれすらも
できずに小さく頭を振った。
「……や、…あん」
あっさりと上着をはだけられ、晒した素肌を道徳の唇が辿ってゆく。薄い胸の突起を舌先で弾かれると、無意識に道徳の頭を抱き
締めるようにして吐息を吐いた。
海辺の広い駐車場、しかも車の中というシチェーションは天化の身体の熱を急激に上げていく。人目も気にしないで済む道徳の部
屋とはまるで違い、いつ誰に見られるか分からないという状況は、不安を煽ると同時に刺激となって敏感にさせた。
道徳の腰を跨ぐ格好はねだりがましげでひどく羞恥を煽る。愛撫を加えられる毎にジーンズがきつくなって、苦しくて堪らない。
かといって自分でジーンズを脱ぐだなんて、恥ずかしくて絶対無理だ。
身体の線にぴったりのスリムジーンズなんて穿いてくるんじゃ無かったと、今更ながら激しく後悔する。
離れた道から車の走る音が響き、ヘッドライトが通り過ぎる。刹那の光の流れの中に道徳の姿が浮かんだ。胸元までシャツを開き、
鎖骨と首筋を僅かに晒している道徳は何だか色っぽくて、瞬間鼓動が跳ね上がる。
項に口付けられて鼻にかかった甘い声を洩らし、襟元に手を伸ばした。少しでも道徳の肌に触れていたくて、肩口に手を差し入れ
る。いつもより幾分高く感じる体温が、安心感を与えてくれて嬉しい。
微かに震える指先で肌に触れてくる天化に気がつき、道徳は苦笑を零す。片手でボタンを器用に外して前をはだけ、少年の細い身
体を引き寄せた。
天化は道徳の肩からシャツを落とし、背中に腕を回してしがみついた。思いの外滑らかな感触に吐息に零して、広い胸に頬をすり
寄せる。身体をこうして密着させると、互いの状態が良く分かった。もう十分天化も道徳も熱くなっていた。
堅いジーンズの布地を押し上げている天化の若い欲望を、道徳は布越しにするりと撫でてやる。
「は……ぅ…、あん!」
途端にビクンと跳ね上がった少年の反応にほくそ笑み、ボタンを外した。もどかしげに身を震わせる天化に気付かないふりをして、
わざと時間をかけ、音を聞かせるようにジッパーを下ろしてゆく。
ジーンズを下着ごと器用に脱がせてしまうが、すんなりとした脚は汗ばんでいて、ふくらはぎの辺りで留まってしまった。焦れた
道徳は仕方なくそっちは諦めて、もう片方だけを抜く。
片方だけ脛にジーンズを引っ掛けたままという中途半端な感じが、何だか妙にいやらしくて天化は頬を赤くして広い胸に顔を押し
付けた。可愛い反応に笑みを零して天化自身を大きな手で握り込むと、背を仰け反らせて頭を振る。擦る度に濡れた音を立てるそこ
は、さして触れてやってもいないのにはちきれんばかりに膨らんでいた。
「コーチ、コーチィ……も……」
涙を溜めて限界だと訴えてくる天化に宥めるようなキスを瞼にして、すっかり濡れた指を奥まった部分に這わせてみる。ビクンと
跳ねた背を撫でてやり、先刻よりも量が増えた雫の滑りを借りて周りを解した。
もの欲しげにひくつき始めた秘所に指を差し入れると、甘い悲鳴が耳元で上がった。
「ひぁん!……くぅ…」
すっかり力をなくした腰を支えてやりながら、更に指を増やして奥へと突き入れる。動かすたびに濡れた音を響かせ、内部からと
ろとろと零れてくるまでじっくりと丹念にならしてやった。
天化はもう息も絶え絶えで、道徳の身体に縋りつく腕にすら力が入らない。そのくせ彼を受け入れる部分はひどく熱くなって堪ら
ないほどに刺激を欲するのだ。
指に絡みつく内壁が蠢き、まるでもっと奥へと導こうとしているようだった。それにわざと逆らうように引き抜いてやると、天化
の唇から不満げな唸り声が聞こえた。少し膨らんだ頬にキスをして、堅く勃ち上がった自身を挿入する。最初から深く受け入れる体
位なので、天化の眉が顰められたがそれも少しの間だった。
「……あ…は…ぁ」
ずくりと内部でそれが動くと、天化は堪らず腰を揺らしてしまう。いつのまにか自分の腰を支えていた力強い腕が、ただ添えられ
ているだけになっても気付かず、自ら腰を落としてより深く銜え込もうとする。
膝をシートについて大きく脚を広げ、更に刺激的な快楽を求めて意識せずに彼の身体に身をすり寄せた。すると道徳が膝を抱え上
げて最奥に突きたててくる。体重を支えることができなくなって心許ない気分なのに、深い快感を欲する身体はそれすらも悦びに感
じているように内部を収縮させた。
いつのまにかラジオからは曲ではなくDJの喋る声が漏れていたが、荒い息遣いと僅かに軋むシートの音に掻き消される。二人の
耳にはDJの声も音楽も何一つ届いてはいなかった。
さっき脱がされてから片足にだけ引っ掛かっているジーンズが、道徳に貫かれる度に少しずつ足先に滑ってゆく。やがて爪先にま
で移動したジーンズは、痙攣するように震えた指の先からぱさりと床に落ちた。
自分を受け入れる熱い秘所は、時には搾り取るようにきつく、時にはやわやわと包み込むように蠢く。
もっと激しく、もっと深く、繋がり合いたい。彼を自分だけのものだと確認したい。深い口付けを何度も交わして、溢れる吐息ご
と全てを手に入れようと貪り合う二人は、互いにそう伝え合っているようだった。
道徳は最後を促すように天化自身を掌で包み、少年の動きに合わせて擦り立てた。
「あぅ!……あぁ……」
高い嬌声が耳を打ち、決して広くはない車内にこだます。
まるでそれを狙っていたかのように、ヘッドライトが抱き締め合う二人を照らして通り過ぎていった。
ぐったりとしてしまっている天化の髪を梳いて、ジャケットを起こさないようにかけてやる。
狭い車内でよくぞできたもんだと改めて感心しながら、身支度を整えた。
こんな場所でしたせいか、何となく気恥ずかしさを感じて、照れ隠しにわざと関係のない事を呟いてみる。
「……晩飯何にするかな……」
「俺っち……焼肉食べたいさ……」
大きめのジャケットにくるまりながら、小さな声で言ってきた天化に顔を向けて大きく眼を瞠った。
「起きてたのか?天化」
「…うん。今さっき」
照れたように笑う天化の髪をもう一度撫でて、道徳は心配そうに窺った。
「きつくないか?その……したばっかりだし」
「疲れてっけど、食事もできない程じゃないさ。どうせこの辺りには焼肉屋なんてないし、戻ってから食べに行くっしょ?そん時にゃ
腹へって死にそうになってるさ」
天化の言う通り、道徳は崑崙市内に戻って行きつけの焼肉屋に行くつもりだった。ここからだと渋滞に引っ掛からなければ1時間ぐ
らいで目的地に着く。その間天化を休ませてやればいいかも知れない。
「そうするか。じゃあ運転は俺に任せて天化は寝てな。着いたら起こしてやるから」
「……一人で食べちゃったりしたら怒るかんね。約束さ」
道徳の気遣いが嬉しくてわざと念を押してやると、彼はプッと吹き出して髪をかきあげて額にキスをくれた。
「約束するよ。ほれ、寝た寝た」
食い意地のはった天化の台詞に笑いながら、額に音を立てて口付けてぽんぽんと子供にするように頭を叩いてやる。そうするとぷ
くりと頬を膨らませたものの、眠気には勝てなかったのかすぐに瞳を閉じてしまった。
天化の寝息に混じって聞こえてくるラジオに気がついて、道徳はつけっ放しだったことに苦く笑う。ラジオは残念ながら聴ける状
態ではなかったので、さっぱり聴いていなかった。
この様子だと眠りを妨げることは無さそうだが、静まり返った車内にはうるさいラジオを消してしまい、時計を見て時間を確認し
た。行為にそんなに時間がかからなかったからか、まだ7時過ぎだ。
「では運動の後の食事に行くとするか」
道徳はおどけた口調で誰に聞かせるでなく一人呟き、アクセルを踏み込んだ。
海岸線に沿って車を走らせながら、何気なく持ったMDを差し入れる。奇しくも流れてきた曲はさっき天化を抱いた時、最初にか
かっていた曲だった。
――曲名は『I Love You Forever』。
2001.6.1