「次こそフューチャーに乗ろうぜ!塔矢、来るよな?」
昼食を終えてパーク内に戻ると、早速ヒカルはアキラを人質よろしく引っ張りながら、嬉しそうに先を行こうとしている。心は既に、過去と未来を行き来する
アトラクションに向かおうとしているようだ。
「え?……あ…その……進藤?」
ヒカルに腕をとられてアキラは嬉しさに頬を微かに赤らめつつ、困ったように後ろの三人と想い人とを交互に見やる。
アキラの戸惑いなど少しも気にせずヒカルはずんずん歩くので、立ち止まろうにも立ち止まれず、引きずられるまま歩をあわせた。
ジャンケンの結果の順番ではヒカルの乗りたいアトラクションになるのだが、人の意見を聞かずに進むのもまずい気がする。
自分達の他の三人に一先ず話を通すのが、筋というものだろう。それなりに社会生活を営んできたアキラの考えは正しい。
伊達に猫を被って十数年も生きていないということだ。
「あいやまたれい!」
無条件の味方であるアキラを引っ張って歩くヒカルの背中に、妙に芝居がかった口調で制止をかけたのは社だった。アキラの腕にしがみついたまま、
渋々ながらヒカルは社を振り返る。
「何だよ。オレはフューチャーに乗りてぇの!」
「分かっとるわい。後でちゃんと乗りに行くって。けどフューチャーの前に、大人しめのアトラクションにせぇへんか?」
「えーっ!!」
社の意見に、当然ながらヒカルは不満を顔一杯に表す。
「これは忠告や。食ってすぐにあれに乗るつもりなんやったら、昼飯損する覚悟で乗らなあかん」
腕を組んで真剣に諭す社を、少し青ざめた顔色で伊角は見詰める。まさかとは思うが、自分が最も苦手とするタイプのライドだろうか。
そんな伊角の様子に気付かず、和谷が怪訝そうに口を開く。
「おい…酔って気分が悪くなるってことかよ?」
「その程度で済んだら幸せやろうなぁ…。さっき伊角さんが食ったフィッシュも、あんたが食ったダブルともおさらばすることになんで。あれはかなり揺れるから
な、胃とか激しくシェイクされて、そらもうきっついわ!オレは即行トイレ駆け込みやった!」
社の語った実体験は、相当真に迫って信憑性があった。
思い出すのも辛そうに顔は歪められているだけでなく、USJに数度足を運んでいる実績が社にはある。
彼の意見と進言を無視するのは、愚の骨頂というものだ。
ヒカルは佐為にとり憑かれた当初折り合いが悪くて似たような経験をしたことを思い出して、懐かしさと同時に胃のせり上がるような嫌な感覚も記憶の底から
蘇えらせてしまい、些かげんなりする。佐為との懐かしい思い出だけならまだしも、余計なことまで付随していたお陰で、気分は最悪であった。
「二つくらい大人しいやつにして腹が落ち着いてから乗りに行ったらええやんか。時間はまだあるやろ?」
社の言葉に考える素振りを見せ始めたヒカルに畳み掛けるように、アキラも尤もらしく頷いて同意する。
「ボクもそうした方がいいと思う、進藤。キミはボクの分も色々食べていたから、お腹一杯だろう?」
アキラが余り口をつけなかったのをいいことに、ヒカルはいやしくも彼の分まで綺麗に平らげていた。
しかも彼が殆どファストフード店に入らないことをたてにして代わりに注文し、自分好みものもばかり揃えていたのであった。
元々アキラはファストフード店の味が好きではない。
そのため、例え注文しても食べられるものはないに等しいのだが、それにしっかり便乗するあたり、ヒカルの食い意地は立派だ。
「……分かった。どこに行くんだ?」
今回は社の意見に従った方がいいと判断したヒカルは素直に頷くと、アキラの腕を抱いたまま三人の元に戻る。
ヒカルとアキラが合流すると、社はショーリストを広げた。
「そやな、座席とかが揺れへんアトラクションがええやろ。ロックンロールショーはどうや?舞台観てるだけやしのんびりできるで」
「じゃあ、まずそっちに行こうか」
地図で位置を確認した伊角は、先に立って歩き出した。会場に着くともうすぐライブが始まるとのことで、彼らは冷房のきいた建物に入り、ゆったりとした座席
に腰を落ち着ける。社の言う通り、こうしてゆっくり座って眺めるのもいいものだ。
和谷と伊角は身体の力を抜いて四肢を伸ばし、アキラと社は席に着いた途端に小さな欠伸を噛み殺す。
ヒカルに至っては、柔らかな座席に座ると程なく気持ち良さそうに寝入ってしまった。
結局五人はライブショーをろくに観ずに、昼食後の満腹感と座席の心地よさに眠ってしまい、係員に起こされるまで熟睡したのだった。
ロックンロールだからそうそう静かな音楽である筈もないのだが、誰一人として起きる者は居なかったらしい。
係員に声をかけられたり、揺すられたりしないと起きなかったのだから、相当よく眠っていたのに違いない。
若いうちから好きな仕事に就いて働きだし、充実した日々を送りつつも、少し生活に疲れている現われでもあるのかもしれない。
尤も、ヒカルとアキラの場合は、昨夜のアレコレなど別のことで少しばかり疲れていたのもあったのだろうが。
「は……恥ずかしかった…」
会場を出て誰ともなく小さく声を零し、互いに苦笑を零しあう。酔っ払い親父が最終電車で爆睡して、乗ったまま終点まで辿り着いた挙句に車掌に揺り起こ
される、といった系統の恥ずかしさを若い身空で体験してしまったのはいただけなかった。
「けどスゲーよく眠れたよな、伊角さん」
「寝心地のいい座席だったしな」
和谷に伊角は欠伸をかみ殺しながら頷いて苦笑する。寝るための椅子ではないと分かっていても、つい口から出てしまった。
「次は何にする?オレはドラフトがいいんだけど」
午前中にアキラがヒカル達にダメだしをくらったアトラクションを言うのは中々勇気がいって、伊角は内心ドキドキしながら提案する。
思い切りよくアキラは却下されていただけに、二度目のチャレンジとなる伊角にとっては緊張の一瞬だ。
「いいんじゃねぇの?」
「眠気覚ましに丁度ええやろ」
「行こうぜ、伊角さん」
(……何故!?)
午前の時ははっきりきっぱり行かないと口を揃えて言っていたのに、物凄い態度の差に不条理を感じるアキラである。
「塔矢も行きたいって言ってたよな?」
「ああ……うん」
ドラフトに向かって歩きながらヒカルは後頭部で腕を組むと、嬉しそうに見上げてくる。アキラは一応頷いて彼に応えはしたものの、心のどこかで不服感
は残っていた。彼は基本的に聞き分けのよい性格なのだが、時には子供のように感情を持て余すこともある。
「何だよ?」
アキラの様子に微かな違和感を覚えて、ヒカルが問いかける。
「いや………その……午前中はドラフトはダメだったのに、どうして昼からならいいのかと思って」
「なーんだ、そんな事か。朝はやっぱりライドに乗りたかったんだよ。今だったら昼飯の腹ごなしに丁度いいもんな」
あっさりと答えるヒカルの言葉に、何となくアキラも納得する。
テーマパークに来たことが殆どないだけに、ペース配分はアキラには分からないが、確かに午前中の勢いとノリだとライド中心だろう。
ヒカルの言う通り、午前中に一気に色々回ったのは楽しかった。
午後になってからは、ライド系の前に観るだけのアトラクションでのんびり過ごすのも悪くはない。ヒカルが嫌がらなかったのも当然だ。
実際は、ヒカルの考えとアキラの認識とは多少違う。ヒカルがワガママを言わずにドラフトでも素直に頷いたのは、アキラと伊角に対する気持ちの違いだ
ったのである。アキラにはあれこれとワガママを言い、また子猫が擦り寄るように無条件に甘えるが、伊角に対しては余り困らせるわけにはいかない、という
配慮が先に立つ。兄のように優しい彼への気遣いをするのだ。
アキラはヒカルのものだからワガママを言えるが、伊角は他人のものになるので、自分が困らせるわけにはいかない。
本人達は気付いていないが、既に伊角は引率の先生や野球の審判の気分を味わって、十分苦労していたのだが。
知らないことは、時には幸せと通じるのである。
ドラフトの後は、同じエリア内にあるフューチャーに向かった。映画の目玉となったタイムマシンの車の前で写真を交代で撮り、アキラはアキラでヒカルのみ
をしっかりと写して、彼らは順調に並ぶことなくアトラクションに入ることができた。
平日の昼間だけあって、並ぶこともそうそうないのでかなり効率よく回れている。その気になれば全アトラクション制覇も夢ではない。
中に入って車と設備を見た瞬間、伊角はこのアトラクションは自分にとって相性最悪のまさしく鬼門だと気付いて、背中に冷汗をかく。
(ほ…本当にこんなものに乗るのか……)
顔色を青ざめさせ、ひやひやしながら思った。
絶叫系でも特に映像と揺れが同時に来るタイプに弱いだけに、伊角にはこのアトラクションがとてつもない試練のような気がする。
(でも、和谷はとても楽しみにしているんだ。心を強く持て!)
中国で学んだじゃないかと自分に言い聞かせている伊角だが、何か微妙に勘違いしているとしか思えない。
根が真面目で心優しいだけに、自分なりに想い人のために努力しようとしている、その姿勢には涙が誘われる。
ずれている点に関しては、彼の真面目さによるものだ。尤も、相手にとってはそこがいいのかもしれないが。
車の座席に五人が座ってシートベルトをすると、係員が笑顔で爽やかに、伊角にとっては空恐ろしいことを告げる。
「もし無理だと思われましたら、頭の上でバツを作って下さいね~。すぐに救出に参りますので」
語尾にハートマークが飛ぶような声で言われても、内容はかなり不穏なものを孕んでいる。どうやらかなりきついライドらしい。
(い……今から降りたくなってきた……)
横で瞳を輝かせて楽しみにしている和谷のことを考えると、頭上でバツなんてできそうにない。それにこれからすぐにアトラクションが始まるのだ。
今更逃げるなどできるはずがないではないか。
(何とか乗りきるんだ!苦境の時こそ最善の一手を追求せねば!)
大いに的の外れた例えをするほど、伊角は苦境に立たされているようだった。それでも彼が諦めずに立ち向かう勇気を持っているのは、むしろ天晴れと褒
め称えるべきである。だがどれだけ勇気があろうとも、アトラクションは容赦ない。恐怖のタイムトラベルは、こうして始まったのだった。
タイムマシンは急降下に急上昇、前後左右に回転し、それに伴って画面も一緒に回転し動く。当然、車体も激しく揺れていた。
最初に乗ったクモ男は映像が主だったが、それとは趣きがまた違って、こちらは車が上へ下へと動き回る。
タイムトラベルと表現するよりも、長時間のジェットコースターに映像がプラスされているような感じだった。
揺れる車体に回転する画像、ジェットコースター特有の胃に直撃する浮遊感という、三重苦の責め苦に頭の上にバツを作って投了する余裕もないまま、
伊角にとっての地獄のタイムトラベルは終了した。終わった直後の伊角はまさに真っ白に燃え尽きた灰と同様だった。
和谷の悲痛な「しっかりしろよ!伊角さん!」という叫びを聞いていなければ、動けないまま生きた屍と化したに違いあるまい。
(…………神様の……意地悪………)
伊角は真っ青な顔で遠退きそうな意識を支え、心で涙を滂沱の如く流して、太平洋のように広い涙池を作っていた。
彼本人は自分の無様な姿を想像して、穴があったら入りたいような心境であったのだが、他人(特に女性)が見れば、美青年が真っ青な顔で少しばかり
よろめいている姿など、相当そそられるかもしれない。伊角自身は自分の容姿について無頓着で服装も気にしていなかった。
そんなところが、彼の好青年ぶりを更に上げている。
和谷に支えられながらふらつく足でアトラクションを出ると、木陰のベンチにぐったりと腰を下ろす。隣に座った和谷が、心配そうに眉根を寄せて顔を覗き
込んできたのに、伊角は弱々しく笑いかけた。北斗杯三人組も、具合の悪そうな彼の姿に不安げな様子でいる。
「すまない、みんな……。オレはしばらくここで休むから、落ち着いたら合流しよう。それまで何か乗ってきたらいいから」
「オレたちジェラパにもう一回行こうって言ってたんだけど、伊角さんはまだ乗れそうにない?無理?」
無自覚ながらも、とんでもない追い討ちをかけようとしていた弟分の少年を見やり、伊角は金色と黒の紙を撫でて苦笑した。
本人に悪気はないのだろうが、次にそんなライドに乗ったら、自分はしばらく再起不能である。普段の自分なら十分に楽しめるだろうが、今は体調が悪過
ぎるのだ。とても乗れるような状態ではない。
「悪いな……進藤。それは遠慮しとくよ」
「おまえらだけで行って来いよ。オレは伊角さんについとくから」
伊角を庇うように傍らに座った和谷は、しっしっと犬か猫を追い払うような仕草を冗談めかしてするが、ヒカルは首を横に振る。
「でも……オレだって伊角さんが心配だもん」
ヒカルがフューチャーに乗りたがったから、伊角は無理をして乗ってくれたのだ。本当はあんなライドにダメで乗りたくなかったかもしれないのに。
伊角の気分が悪くなったのは、結果的にはつき合わせたヒカルのせいではないか。
「あのな………おまえが心配したってどうにもならないだろ?」
和谷はヒカルの砂色の瞳が心配で微かに潤んでいることに気付き、バツが悪そうに頭を掻いて、諭すように話しかける。
いつの頃からか、ヒカルは自分を責めるような考えを少し持つようになった。普段は周囲のことなど考えず傍若無人に振る舞うくせに、身内がちょっとでも
状態が悪くなると不安で一杯になる。眉を寄せて唇を噛んだヒカルを見て、和谷は天を仰ぎたくなった。
何とかしろとばかりに、横目でアキラを睨もうとしたが、それよりも早くアキラが慰めるように優しく肩を抱いてやっている。
ついでにこっちに対して非難がましい眼を向けるものだから、和谷としては一言言い返してやりたい気分だった。
(何でオレがおまえに睨まれなきゃならねぇんだよっ!)
だがここは体調の悪い伊角の手前、ぐっと堪える。自分の方が一つ年上で大人なのだ。ガキに睨まれた程度でいきりたってどうする。
碁では二人に一歩先を行かれているが、必ず追いついてやると心に誓ったのだ。自分を落ち着かせるように一つ深呼吸すると、子供をあやすようにヒカル
の頭を撫でてやる。ヒカルは少しも悪くないのだから、まずはこの寂しがりやの少年を安心させてやらなければ。
アキラを無視してヒカルの顔を覗き込み、和谷は笑みを浮かべる。
「おまえがそこで心配している方が、よっぽど伊角さんには堪えるよ。いいから好きに遊んでこい。伊角さんも心苦しい思いをしなくて済む。別に病気って
わけじゃなくて、ただの乗物酔いなんだからな。おまえらがジュラパ行ってる間に、ゆっくり休めば治るさ」
「和谷君の言う通りだよ。キミが傍に居てどうにかなるわけでもない。それよりも身体を休めて安静にしている方が、酔いもおさまりやすいからね。むしろ周囲
に人の気配が多いとよくないんだよ?」
和谷に続いてアキラが優しく髪を梳きながら話して聞かせると、ヒカルは躊躇しながらも小さくこくりと頷いた。
それでもまだ心配なのか、和谷と伊角の様子を窺い見ている。伊角はそんなヒカルを見て、安心させるように微笑みかけた。
「オレは少し休めば大丈夫だから、行ってこいって」
「伊角さんもこう言ってんだ。ジュラパでも行くといいぜ。落ち着いたら後で合流すればいいんだから」
伊角に相槌をうって和谷が笑みを浮かべながら更に促すと、やっとヒカルも表情を明るくさせて頷いた。
「うん!じゃあ後でなっ!」
(切り替えはやっ!!)
ついさっきまで泣きそうに瞳を潤ませていたのに、今や大全開の笑顔だ。ヒカルが伊角を心から心配していたのは真実なのだが、余りの心変わりの早さに
二人はベンチから転げ落ちそうになる。
社も同様にずっこけていたのだが、残念ながらヒカルとアキラに阻まれて誰にも見て貰えずに終わっていた。
この心の切り替えの早さこそヒカルらしいといえばらしい。もしかしたら、これもまた勝負強さの秘訣の一つかもしれない。
「後で合流しようぜ!」
振り返って手を振る北斗杯組三人に声をかけ、その後姿を見送った和谷と伊角は肩を軽く竦めた。完全に姿が見えなくなると、どちらからともなく見詰め合
い、先刻のやりとりを思い出して小さくふきだす。何のかんの言いながらも、年下の彼らの面倒を見るのは嫌ではない。
手のかかる弟達と騒いでテーマパークを歩き回るのも、楽しいものなのだ。時々鬱陶しいこともあるけれど、楽しさはそれを上回る。
爽やかな九月の風を頬に感じているうちに静かな時間が過ぎていく。
木陰であっても日差しはぽかぽかと暖かく、遠くからは子供の笑い声や、男女の明るい会話が漏れ聞こえてくる。
しばらく二人で寄り添ったまま、何を話すことなくその場に居たが、不意に伊角が周囲を見回して首を傾げた。
「何だか人が少なくないか?和谷」
「あれ?ホントだ。――そっか!そろそろパレードの時間かも」
和谷の出したショーガイドを見て、伊角は一つ頷く。
「うん…丁度パレードが始まるな。……じゃあ、見に行くか」
和谷を促すように手を握って、立ち上がった。自分の手を包んだ温かな感触に、和谷はたちまち頬を赤らめる。
慌てて腰を上げながら、内心あたふたして伊角を見やった。
「い…伊角さん。……その…あの……」
「ああ、気分なら大分よくなったよ。ありがとうな、和谷」
握っていない方の手でくしゃりと頭を撫でられ、見上げた先にあるのは伊角の邪気のない笑顔だった。にっこりと笑いかけてくる青年の暢気な様子に、
和谷は苦笑を禁じえない。
(…気付いてないんだ……)
余りにも無自覚なのが、和谷としてはちょっぴり残念でもある。だがしかしそれ以上に、伊角が自分の手をしっかりと握ってくれている事実が、何とも言
えずに幸せだった。このエリアに他に誰かが居たら、気恥ずかしさですぐに離してしまったかもしれないが、今は人目もないこともあってそうするのもひどく
勿体無いような気がする。傍でこうして触れて、直に体温が伝わってくる。こんな些細な出来事であっても、滅多にないだけにとても嬉しい。
伊角が気付いていないことを幸いに、和谷はもうしばらく彼とこうしていようと、こっそり微笑んだ。








