Y  ファミリールーム

 五人がマンションの列に並んでいる頃、二人の人物がスプラッシュから出て、ビッグサンダーへと向かっていた。
 先程和谷が見かけた彼らは幻ではなく、実際にそこに居たのである。
 人込みの中で見失っただけで。
「面白かったですねー!緒方さん。次はこっちのアトラクションに行きましょう!これが終わったら。次はマンションですからね」
 既にネズミーリゾートをすっかり満喫している彼は、アキラの兄弟子である塔矢門下のお祭りムードメーカー、芦原弘幸だった。
 USJに続いてネズミーリゾートでも大いに楽しんでいる。
 こういった場所になると、俄然張り切ってより一層元気になる弟弟子に半ば引きずられるように歩いているのが、緒方精次だった。
 碁聖・十段のタイトルを持つタイトルホルダーである。そんな二冠棋士様の歩調が心なしか危ういのはご愛嬌だ。
 ついでに落下時の風圧で髪が乱れてしまっているのも致し方ない。
 今日はいつものダブルの白いスーツではなく、少しだけ寛いだ服装となっている。それでもどことなく「ヤ」のつく職業の若頭のように見えないこともないが、今の彼にそんな
 余裕はなかった。スプラッシュの急降下を体験した後で、少しだけお疲れなのだ。
 これから横揺れの激しいビッグサンダーに乗ることになるのだが、こうなるとご愁傷様と申し上げるしかない。
 朝一番の列に並んでハニーハントに乗り、有名な映画シリーズの設定を使った、暴走運転気味の宇宙船に乗って星の海ツアーを楽しみ、カリブの海賊に襲われ、休憩がて
らパレードを見た後はスプラッシュで急降下体験である。
 彼は既に限界だった。何が楽しゅうて、こんな女子供が大好きなテーマパークに遊びに来て、絶叫系のマシンやら乗物酔いしそうなマシンばかりに乗らなければならないのか。
 幸いにも人気アトラクションのスペースが改装中だったお陰で乗らずに済んだが、これにも乗っていたら、しばらく再起不能な状態に陥っていたに違いあるまい。
 自分としては、もっと大人しい乗物の方がいい。これならばまだUSJの方が良かったと、緒方は内心呟いた。
 あっちの方が、緒方の性に合うアトラクションがあって、何のかんの言いながらも結構楽しめちゃったりしたのだ。
 師匠の息子であり、弟弟子でもあるアキラにちょっとばかり醜態を見られたのは頂けなかったが、アキラがアレについて口を開くことはなかったので、一先ずはよしとする。
 親の教育が良かったからか彼はアレを見なかったものとしたらしい。
 緒方にとっては非常に有り難いことに!
 今思い出しても涙が出てきそうだ。アメリカの国旗を模した山高帽を被って、同じ柄のステッキを持ち、横にはジョーズに頭をがっつり食われた芦原を従えた、いかにも『USJ
すっごく楽しんでまーす!!』という姿を見られた瞬間を思うと。
 確かあの時は、もう一方の手には世界で最も有名なビーグル犬の形をした入れ物に入ったポップコーンも持っていたが、アレはアキラと一緒に居たヒカルに押し付けること
に成功をしただけ幸いだ。あの少年はアキラとは違い、ことあるごとにポップコーンの礼を言ったりして、緒方の古傷を抉るいい根性の持主だ。
 そのうちタイトルに挑戦するようになると、盤外戦で仕掛けてくるかもしれない。――要注意人物である。
 ヒカル本人はあくまでも本気で礼を言い、盤外戦のつもりも全くないのだが、苦手なアトラクションに乗った影響もあって既に被害妄想気味な緒方にとっては、どっちでもさした
る問題ではなかった。あんな情けない姿を見られた事実は変わらない。自分を蹴落としにやってくる若手二人に見られたのは痛烈な痛手であった。
 芦原ならば、自分のあんな姿を弟弟子に見られても平然としているし、むしろ自慢するだろうが、緒方の性格はまた違う。
 芦原のようにあっけらかんともしておらずのんき者でもない。
 緒方はテーマパークに来ること自体が自分に似合わないことを知っているし、元から好きでもない。しかも絶叫系のアトラクションに乗るのも『大っ嫌い!』ときている。
 小学生だったアキラを連れて遊園地に行く時も、芦原を同伴させていたのは、偏にジェットコースターなどに乗らないようにするためだ。
 できればこんな場所には来たくない、というのが本音である。
 横を見るとのんき者の芦原は、次のファストパスをばっちりとって、今度はこのアトラクションにも入るつもりらしい。
 一体どれだけ回れば気が済むのだろうか。
 ここは九九九人の住むゴーストのマンションということらしいが、芦原のアトラクションを好む性格にはほとほと参ってしまう。
 何だって自分は今日と明日と明後日の囲碁イベントを断って、家でのんびり休養などという道を選んでしまったのだろうか。
 あそこで一手を間違えてしまったのが痛かった。
 あれほど重要で重大かつ大事な局面で、どうして読み間違えてしまったのだろうか。魔が差したとしか思えない。
 お陰で折角の三連休が、家でのんびりどころか、ネズミーリゾートで三日連続アトラクション三昧(絶叫系とほのぼの含む)である。
 しかも男二人で!何が楽しゅうて男同士で行かねばならんのだ!
 唯一の救いがあるとすれば、宿泊もチケットもタダであることだけ。他は、緒方にとっては全てにおいて地獄である。
 アキラとヒカルならいちゃいちゃしながら、それはもう楽しんだろうが、芦原と一緒に行ったところで楽しくはない。
 可愛い女の子と二人きりでいくのならいざ知らず。相手が絶叫系好きだったら最悪だが、それでも芦原よりマシである。
 だが間違えた手を元に戻すことはできない。そう、戻せないのだ。しかし思わずにはいられなかった。
 あの時、断らずに渋々でも承知して参加していれば、緒方はこんな場所に居たりしなかっただろう。棋院の事務局に恩を売れたし、女性と出会う機会も得られたかもしれない。
 いや、とにかく適当な用事が三連休にあれば良かったのだ。それなら、折角の休日だというのに朝一番に叩き起こされ、寝惚けた頭のままでネズミーランドの開門に付き合い、
主役と握手を交わし、ハニーハントの列に並んだりはしなかったはずだ。
 大体からして、芦原も芦原だ!何でいきなりやってくる!?それも休日の朝五時だぞ!
 人の家に訪ねるにしても非常識な時間であるだけでなく、自分は兄弟子で、しかもタイトルホルダーなのにっ!!
 兄弟子が朝の惰眠を貪って気持ちよく寝ているところに、どこぞの芸能レポーターのようにこっそり鍵を開けて不法侵入して、いきなり布団を引っぺがすような教育をおまえは
受けたのか!?気持ちよい眠りを強引に奪われて、無理矢理朝食を食べさせられた挙句、完全に寝惚けている状態のまま、殆ど拉致同然にネズミーリゾートに連れて来られた
緒方としては、言いたいことは山ほどある。しかも、車の運転をしたのも車を出したのも緒方なのだ。
 寝惚け頭でよく事故も起こさずに来られたものだと自分を褒めたい。
 冴木が一緒に行けないとか、彼女が居ないとか、アキラもヒカルと今度一緒に遊びに行く予定だから、自分もどうせなら行きたいとか、そんな理由はどうだっていい。
 何でよりにもよってオレなんだ!?オレ以外の誰かを誘って巻き添えにしろ!絶叫マシンに乗って楽しむ年齢じゃないんだよ、オレは!
 夢の国や海に来るよりもゆっくり眠りたかったんだっ!オレの穏やかな休日を返しやがれっ!!
 大体からして、棋院でのオレはスキャンダラスでニヒルな男として通っているのに、何でこんなに似合わない場所で遊ぶことになるんだ。
 女子供がメインで遊ぶんだろうが、ここはっ!
 遊ぶなら綺麗どころがたっぷりいて、酒も楽しめる銀座か歌舞伎町か六本木の方がずっといいに決まっている。
 オレはここじゃなくて別なところがいいんだよっ!
「だってー、暇そうな人って緒方さん以外に居ませんでしたし」
「オレは暇じゃないぞ……芦原」
「なーに言ってるんですか。どうせ一日中熱帯魚ちゃんのお世話と、ネット碁とかばっかりしてるんでしょ?暗いよなぁー…それって引きこもりですよ、引きこもり。もっと明るく
ぱーっといかなきゃ!」
 芦原のこの兄弟子を兄弟子とも思わない、情け容赦のない言い様に、密かに緒方はハートブレイクである。
 二冠棋士様はこれでも意外と繊細な心根の持主だった。
 緒方の心の愚痴はどうやら一部どころか、かなりというか全部だだ漏れしていたらしい。正直者はこんな時損をするものだ。
 あっけらかんと笑いながら止めを差してくれた弟弟子を、緒方は半ば殺意の篭もった眼で睨みつけた。しかし相手はそんな程度でびびるような繊細な神経を持ち合わせて
いない。芦原は氷の刃のような視線などものともせずに、へらへらと笑いながら、アヤシゲな帽子を見つけて喜んでいる。
 ネズミ耳のついたとんがり帽子や、ハニーハントの主役の熊の顔をした帽子などを色々と被っては、似合うかどうか尋ねてくるのだ。
 それら全てについて、ついつい律儀に答えている辺り、緒方は自分で思っている以上に人がいいに違いない。
 似合う似合わない以前の問題で、まず芦原の感性を非常に疑いたくなるが、彼は一言も言わずにおいた。どうせ何を言ったところで無駄だから。
(よく、こんなものを被る気になるな……芦原は)
「あっ!これはここ限定ものですよ!さすがは本場だけあって、品揃えも豊富でいいな〜」
 うきうきとした顔つきで物色する芦原は大層ご機嫌だった。緒方の南極のブリザードのような冷然とした目線攻撃は全てあっさりとかわされ、弾かれてしまっている。
 彼が選んで被る帽子と同じくらい、恐ろしく弾力性があって厚みのある面の皮だ。
「緒方さん!これ!これいいと思いません?」
 芦原の差し出したものは、三つ目の宇宙人の顔の帽子である。鮮やかな蛍光色の緑が眼に眩しい逸品だった。確かこれも人気アトラクションのキャラクターの筈だ。
(まさかとは思うが、それをオレに被せる気かっ!?)
 過去にUSJで、米国旗模様のど派手な山高帽を被ったトラウマが再燃し、緒方は思わず身構えた。
 だがしかし、被ったのは芦原本人である。緒方の中にある、もう一つのトラウマが、彼の中で今度は呼び起こされた。
 芦原がさる映画の主役になった鮫の形をした帽子を被った姿を、再び思い出すことになってしまい、頭を抱えたくなる。
 あの帽子もいい加減見ているだけで心臓に悪かったが、今回の帽子もあれと張り合えるだろう。勝るとも劣らない。
 似合ってしまうだけでなく、とにかくインパクトが強烈に凄い。何でこいつはこうも変なものにばかり心惹かれるのだろうか。
 被り物をするなとは言わないから、せめてもうちょっとまともな物を被って貰いたい、そう思っても罰は当たらないはずだ。しかし、緒方が見回した限りでは、そこにはまとも
な被り物はどこにもなかった。虎耳のヘアバンドだとか、魔法使いが被るような帽子だとかばかりで、普通の帽子らしきものは見当たらない。
(何て品揃えの悪い店なんだ!)
 思わず内心大いに毒づいた緒方だった。だがしかし、一般的に考えると、ネズミーランドのストアなのだから、品揃え云々の問題など最初から関係ない。
 『普通』の帽子を求めること自体が、既に間違っているのだから。
 緒方の抱える密かな苦悩などまるで知らない芦原にとっては、そんな事は最初からどうでも良かったらしい。
 反応を返さない緒方のことも、彼は既に慣れっこだった。芦原は三つ目の宇宙人の帽子をいたく気に入り、早速購入して戻ってくると、人目も気にせずに嬉しそうに被る。
 このネズミーリゾートに居るからこそ、違和感はまだ比較的少なめだが、現実社会に戻るとかなりイタイ光景である。
 常識人として一緒に居たくないとか、もういい加減にしてくれ、と緒方が思っていたとしても、彼を責めるのは可哀想だというものだ。
 何故なら彼は夢の国ではなく現実の世で常に生きているのだから。
 夢の国に中々馴染めないのも当然なのである。夢は夢として楽しむだけの、柔軟さのある性格ではないのだ。
 しかし芦原はそんな些細なことは一切気にしない。夢の国体験になかなか馴染めずにいる緒方についても同じくだ。
 いかにもネズミーリゾートに来ているという自分の姿に満足した芦原は絶好調である。まだ完璧にコーディネートされていない緒方のためにも、何かいいものを物色する
気が満々にあった。緒方にとっては余計なお世話であるが、彼は気にしない。
 芦原はある意味において、緒方よりも遥かにタフな精神の持主であることは、間違いないだろう。
 しかし、取り敢えずはまずアトラクションだ。どんどん楽しまねば。今日はランドで、明日はシーに行くことが決まっているのだから。
 両日共に存分に堪能しなければ、折角のチケットの意味がない。
 固まっている緒方を引きずるようにして引っ立て、再びアトラクション三昧を決行すべく、芦原はビッグサンダーへと向かったのだった。
 そんな彼らを面白そうに一人の人物が眺めていたとも知らずに。
 妖怪と呼ばれる棋院の大立者が、同じショップに孫を連れて来ていたことに、二人は気付きもしなかった。

 テーマパークのアトラクション好きな弟弟子の巻き添えを食らった哀れなタイトルホルダーが、ビッグサンダーで遠心力と戦っている頃、若手美形五人衆はマンションを
満喫して外に出ていた。ビッグサンダーのファストパスの時間まで間があることから、彼らは他に空いているアトラクションを楽しむ。
 ほのぼの系のゆったりとした、おとぎの国へ向かう空の旅を表現するライドは、子供にも人気だが絶叫系が苦手な大人にもお勧めできる。
 緒方にこそ丁度良かったかもしれないが、残念ながら彼は自分が乗りたいものを選択できる立場ではなかった。
 おとぎの国の次は、いよいよ和谷とヒカルにはお待ちかねのビッグサンダーである。山道を時速四十キロで疾走する鉱山列車に乗るスリル満点のアトラクションだ。
 鉱山列車の前で揃って記念撮影をして、ファストパスで中に入れば後はもう乗るだけである。緒方にとっては最悪なアトラクションも、若い彼らにとっては、非常に面白い
ものだった。爆走する速さもさることながら、狭い空間を一気に走り抜けるスリル、激しく左右に揺れる動きも楽しくて堪らない。
 余裕たっぷりに両手を上げるなんてことも、ヒカルや和谷はした。
 こういった絶叫系のアトラクションの割には意外と長く走ることもあって、和谷とヒカルだけでなく残る三人も存分に楽しめた。
「伊角さんはこういうのは結構平気なんだ?前にUSJに行った時は、タイムマシンに乗って酔ってたのにさ」
 乗り終わって興奮冷めやらぬ和谷に尋ねられた伊角は苦笑を零す。
 どうも伊角は映像系のアトラクションに弱いらしい。画面で酔ってしまうタイプで、それに揺れが加わるのが苦手なのだ。
 画面ではなく実際に疾走する方ならば、平気なのである。
「オレは映像系よりも、こういうタイプの方が性に合っているみたいだな。それにここのアトラクションは、子供が乗ることにも配慮して遊園地ほどきつくないから、大抵の乗
り物は楽しめるよ」
「それはオレも思たわ。遊園地のジェットコースターともまたちゃう感じで、これはこれでおもろいな」
 社もしたり顔で頷いて、伊角に同意していた。
「塔矢も絶叫系とか平気みたいだよなー。おまえ途中で笑ってたろ?」
 ヒカルに指摘されて、アキラは照れもあって微かに頬を紅潮させる。自分でも笑った事実は否定できない。
 笑うまいとしていたのだが、どうも途中から抑制できなかったのだ。
「自分でも分からないけど、乗っていたら急に可笑しくなって…」
 隣のヒカルには、途中で我慢できずにくすくす笑ってしまったアキラの姿が見られていたらしい。
 本人にもさっぱり理解できないのだが、乗っているうちに胸の下あたりをこしょこしょくすぐられるようなこそばゆさを感じて、ついつい笑ってしまったのである。
 隣にヒカルが居なければ、大声で笑っていたかもしれない。
「確かに笑う人とか多いけどね。ああいったのに乗って、平然としていられるだけでも、塔矢は凄いよ」
 伊角の褒め言葉に、アキラは何とも複雑な気分で笑顔を見せるしかなかった。ただ可笑しくて笑ってしまっただけに奇妙な感じだ。
 どこかの兄弟子に聞かせたら、さぞや歯噛みして悔しがるであろう伊角の台詞だが、幸いにも聞こえる範囲に彼は居なかった。
 某タイトルホルダーは、マンションのライドに乗ってささやかながら心穏やかな一時を過ごしていたからである。
 彼の趣味はアキラをいびって楽しむことも含まれているだけに、自分が苦手な絶叫系ライドにアキラが平然と乗っている図など、腹立たしいだけの事実だ。負けん気が
喚起されて無謀な行動をしかねない。それを知らずに無茶な真似はせずに済んだのは、不幸中の幸いだったというべきだろう。
 そういった行動は、一歩間違えれば『年寄りの冷や水』と酷評されるのがオチだからだ。
 自身の為にも尊厳を護れたのは幸福なことである。
「そろそろ暗くなってきてるな。オレとしてはどうせなら、ツリーの点灯式も見たいんだけど、それまでにしばらく時間がありそうだし、適当なアトラクションに入るか?」
「絶対にシアターがいい!ミクロ行きたいー!」
「シューティングだってば!バズにしようぜ」
「オレはやっぱりコースターで、スペースやな!」
 引率隊長の伊角に尋ねられ、ヒカル、和谷、社は争うように挙手して自分の行きたいアトラクションを激しく主張する。
 アキラは子供のように騒いでいる彼らを苦笑しつつ眺めながら、暗くなり始めた空を見上げた。
 秋の日はつるべ落としとの表現があるように、夜が迫るのも早い。
 一緒になってどれから行くかを悩む伊角の頭上には一番星が輝き、蒼茫たる夕闇が近付きつつある。心なしか気温も少しずつ下がってきているようだった。ハニーハント
の時間までまだあるし、ランドはこれから夜もたっぷりと楽しめる。最後の花火の打ち上げを見るまで、心ゆくまで夢の国を回る気持ちが、彼ら全員に存分にあった。


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